弾性エネルギー(1)

一端を壁に固定したばねのもう一端になめらかな床の上にある物体を取り付け、そのばねの自然の長さから\(x\)mだけ縮めた(あるいは伸ばした)とき、ばねは自然の長さに戻ろうとしますので、物体に対して正の仕事をします。このとき、正の仕事をされた物体は、他の物体に対して仕事をすることができるので、運動エネルギーを持っているということができます。この運動エネルギーの源泉は、ばねを自然の長さよりも縮めた(あるいは伸ばした)ときに弾性力に逆らって加えた仕事として蓄えられたもので、これを弾性エネルギーと呼んでいます。

この弾性エネルギーがどれほどになるか計算していきましょう。ばね定数が\(k\)の、\(x\)だけ自然の長さからの縮んでいるとき、弾性力の大きさ\(F\)はフックの法則より\(F=kx\)となります。ばねの縮み\(x\)を微小な区間\(\Delta x\)に分割すると、ばねの縮みが\(x'\)のときの弾性力の大きさは\(kx'\)であって、\(\Delta x\)だけ伸びたときの弾性力の大きさが一定であるとすると、このときに弾性力のする仕事は、\(\Delta x\)を横の長さとする四角形の面積となり、そのときの縦の長さは弾性力の大きさです。したがって、ばねの縮みが\(x\)から0まで変化する際の弾性力のする仕事は、右のグラフの長方形の総和となり、それは\(\dfrac{1}{2}kx^2\)となります。

弾性力による位置エネルギー
\[\large{U=\frac{1}{2}kx^2}\] \(U:\)位置エネルギー \(k:\)ばね定数

※なお、\(F=kx\)はばねの自然長からの縮み(伸び)のある一点における力の大きさであるため、これを\(x\)で積分することで位置エネルギーを求めることができる。

\[\large{\int F dx =\int kxdx=\frac{1}{2}kx^2}\]

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